桜花(さくら)を見た
日本橋「いせ辰」の手代・英助には誰にも言えない秘密があった。
母が死に際に遺した「お前のお父っつぁまは北町奉行の遠山様なのだよ」という言葉である(表題作)。
北斎の娘・お栄の、婚家と実家を行き来する胸の内(「酔いもせず」)。
名家老であり、その画業で‘松前の応挙’と讃えられた蠣崎波響の選んだ道(「夷酋列像」)など、実在の人物に材をとった時代小説5篇。
所収の「シクシピリカ」は、著者の『蝦夷拾遺 たば風』の「錦衣帰郷」と呼応する佳品です。
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