江戸吉原には、娘を花魁(おいらん)へと染めかえる裏稼業があった。<br />その名も、うぶな時分に性技を仕込む「上ゲ屋(あげや)」、年季を重ねた妓(おんな)に活を入れハリを蘇らせる「保チ屋(もちや)」、常に女心を探り間夫(まぶ)を絶つ「目付(めつけ)」。<br />吉原の架空の設定を軸に、これら男衆と、磨きぬかれたオンナ達が織りなす色と欲、恋と情けを描いた連作7編。<br />秘められし真心が静かに胸をうつ、期待の新人のデビュー作!