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されど われらが日々──

私はその頃、アルバイトの帰りなど、よく古本屋に寄った。
そして、漠然と目についた本を手にとって時間を過ごした。
ある時は背表紙だけを眺めながら、三十分、一時間と立ち尽した。
そういう時、私は題名を読むよりは、むしろ、変色した紙や色あせた文字、手ずれやしみ、あるいはその本の持つ陰影といったもの、を見ていたのだった。
(本文より)憂鬱ななかにも若々しい1960年代の大学の青春を描いた、この時代を象徴する歴史的青春小説。
第51回芥川賞受賞作。




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