死者と栄光への挽歌
昭和十七年、菊池睦男が生まれる前にニューギニア戦線のボロホロ島で戦死したはずの父親が生きていたという。
いや、生きていたが八日前に交通事故で死亡して、そのため一億円の生命保険金が睦男に転げこんでくるという。
突然訪ねてきた男に、そう告げられても、睦男は、にわかに信じることができなかった。
こんなバカな話ってあるだろうか? ――戦後幾星霜を経てなお戦いの傷痕いえぬ男たちが織りなす凄絶な生死の葛藤。
「軍旗はためく下に」から構想十年、著者渾身の長篇推理小説。
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