志ん生のいる風景
没後何年たっても志ん生のレコード、テープの売れ行きは、他の追随を許さない。
「去る者日々に疎し」の古諺は、この人には当てはまらない。
戦争も、売れない芸人の悲哀も、すべてを芸のこやしにして、見事に開花させた闊達さ。
名前を覚えてもらうのがなにより大事な仕事で十六回も高座名を変え、師匠まで何度も取り替えた自由奔放さ。
極貧時代の思い出を自伝『びんぼう自慢』にしてしまう諧謔精神。
思うままに生きた八十三年の人生を、生前の面影ありありと活写した評伝文学の傑作。
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