「忘れてはいけなかった。<br />働き、走り、考えつづけて生きる毎日を、体と心は求めてやまないのだということを」。<br />突然の社長命令でニューヨークシティーマラソンに参加することになった広和。<br />かつて家庭教師をしていた社長の娘、真結を監視しろというのだが――。<br />さわやかな読後感を残す中編。<br />文春文庫『シティ・マラソンズ』収録の中編。<br />