野村耕平──小説家、五十二歳。<br />妻、四十四歳、青天のヘキレキ、懐妊の模様。<br />雑事は山積、仕事も多忙、おまけにうるさい二男一女。<br />そこで、仕事のために秘書が、家事にはお手伝いさんが新たにくることになった。<br />この新米秘書は、何やら恋愛中の気配。<br />彼女のうるんだ目差しの対象は、ひょっとすると自分かもしれぬ! 妻は入院、娘は受験。<br />恩師の全集作りもまさに大詰め。<br />忙しくて賑やかな一家の生活を、ユーモアあふれる筆致で描く、長篇小説の快作。<br />