久しぶりに叔母を訪ねたサツキ。<br />信州の小さな町でバーを営む叔母は、何でも話せる唯一の存在。<br />でもこの厳寒期に突然きた理由は話していない。<br />きっかけは、一本の古いビデオテープだった…。<br />3年前交通事故で夫を亡くしたサツキが、人生を新たにやり直そうと20年勤めた会社を辞める際、引き出しの奥で見つけたビデオ。<br />そこに映っていたのは…。<br />今、小雪が舞う中その場所へ。<br />これは「忘れられない香り」の記憶をテーマとして競作されたアンソロジーの一篇です。<br />