芸術院の会員の座を狙う日本画家の室生は、選挙の投票権を持つ現会員らに対し、露骨な接待攻勢に出る。<br />いっぽう、ライバルの稲山は、周囲の期待に応えるために不本意ながら選挙戦に身を投じる。<br />会員の座を射止めるのは果たしてどちらなのか。<br />金と名誉にまみれ、派閥抗争の巣と化した‘伏魔殿’日本画壇の清と濁を描き、その現実の姿に迫った問題作。<br />