死の床に臥した母から異父兄の存在を知らされた榛名(はるな)は、母が亡くなったのを機に、兄の住むプラハに向かった。<br />妹であることを隠し、ガイドとして兄を雇って、初めての対面を果たす。<br />そこで初めて知ったのは、両親の過去であり家族の真の姿だった──。<br />榛名、母、異父兄といくつもに視点を変えながら、家族の歴史と真の姿を万華鏡のように美しく描き出す、感動の長編。<br />