ミステリ好きなら名前を知らぬ人がない名作です。<br />舞台は昭和三十年代。<br />福岡市香椎の岩だらけの海岸で寄り添う死体が見つかったのは、汚職事件渦中にある某省課長補佐と料亭の女中。<br />青酸カリ入りのジュース瓶がのこされ、警察ではありふれた心中事件と考えた。<br />しかし、何かがおかしい──と福岡の老警官と東京のヒラ刑事は疑問を抱く。<br />うたがわしい政商は事件当時、鉄道で北海道旅行中。<br />そのアリバイは鉄壁だった──時刻表トリックの古典にして、今も瑞々しい傑作ミステリ。<br />