天の刻 (とき)
自殺はしないが、いつ死んだってかまわない──。
世間に背を向けるわけでなく、かといってヴィヴィッドな後半生を望むわけでもない。
みずからの積極性を放棄した、しかし魅力的な女たち。
40代も終わりにさしかかろうとする女性が、思いがけず、恋愛の極みへと誘われていく。
古い日本家屋やたるんだ初老男の肉体、果汁したたる枇杷の爛熟した匂いに導かれた官能の一瞬に、彼女たちは何を見ているのか。
エロスとタナトスが、絶妙の筆致で融合された極上の恋愛作品集。
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