宝塚の娘役である千花のカレは、歌舞伎界の御曹司。<br />親友でライターの萌は歳の離れた評論家と恋愛中。<br />花のように若く美しいヒロイン達をとりまく、ふわふわとした幸福な日々。<br />「私たちって、ずうっと不幸にならないような気がしない?」と千花は思う。<br />だが、2人の人生は、現実の退屈さや裏切り、思わぬ挫折によって、ゆっくりと甘やかに、翳りを帯びていく。<br />悩みなどなさそうに見えて実はけっこうほろ苦い青春を描いた傑作恋愛長篇は、まさに平成版『細雪』!