「こうしてねぇ、あんたんチのおとうさんもねぇ、揉んだことあるとよぉ」と、自分の胸を揉みほぐしつつ語る伯母。<br />その娘で肘の骨が飛び出るほど痩せているビョーキの従姉と同じバーで働く、あたし19歳……。<br />博多の中心地、「ドブ川」こと那珂川ぞいでもたれあうように暮らす3世代の女たちを描いた表題作。<br />お茶の販売店で生計をたてつつ、泰然と暮らす女性を描いた「スッポン」、他「ゆううつな苺」収録。<br />芥川賞作家のデビュー作。<br />