江戸時代にも「占い」は流行し、女性たちはそのお告げに一喜一憂していた。<br />実際に出版されていた占い本「女用知恵鑑宝織(おんなようちえかがみたからおり)」。<br />女の吉凶を生まれ月ごとにズバリあてるこの本に想を得て、1月生まれから12月まで、12人の女の喜びと悲哀が綴られる。<br />月ごとの風物を織り込みながら、時代小説の名手が江戸の女の恋愛を生き生きと描き出す。<br />切なくも愛らしい傑作時代短篇集。<br />