春になり、裕一は進級のためレポート三昧の日々。<br />里香の手術はひとまず成功したものの、病状は予断を許さない。<br />やがて二人はマルタン・デュ・ガールの『チボー家の人々』にそれぞれの思いを託し、物語はクライマックスを迎える――。<br />病院という空間で、見えない明日を信じて生きる少年少女を活写し、‘巡礼地’をも生んだライトノベルの金字塔、ついに完結!