曹操、劉備、それに劉備が義兄弟の盃をかわした関羽、張飛とおなじみの英雄豪傑たちは死んだ──動乱の世は、魏、呉、蜀の三国鼎立で、小康を保ってはいる。<br />蜀の智将・諸葛孔明は、まず南方を平定し、後ろをかためたうえで、出師の表をたてまつって魏を討つ。<br />しかし、参謀・馬謖のせいで敗れ、‘泣いて馬謖を斬った’。<br />孔明はついに仲秋の五丈原で陣没し、‘死せる孔明、生ける仲達を走らす’と後世の語り草を生む。<br />陳史観によるこの異色の『三国志』も本巻をもって完結。<br />