契約社員からようやく本採用になった矢先、解雇をいいわたされた久里子。<br />心から喜んでくれた両親の手前、出社するふりをしては日中ぶらぶらと暇をつぶす毎日を送っていた。<br />ある日、偶然すれ違った元同僚の言葉に不審な点が──もしかして私、自分から辞めたことになってる? いくつかの事件に巻き込まれ、謎の老人や犬たちとの出会いによって成長していく久里子の様子が頼もしい、読後感あたたかなミステリー。<br />『賢者はベンチで思索する』の続編。<br />