十三世紀、モンゴル軍に占領されたペルシャ高原の街メナム。<br />そこにはモンゴル軍の司令官、大鷹汗ボルトルからの求愛に悩む美姫、ナンの姿があった。<br />ある日、ナンは市場で青い衣をまとった不思議な人物、アッサムに出会った。<br />アッサムは幻術によって、ナンにこれまでにない快楽を味あわせ、さらにボルトルをもその術中に陥れていく。<br />初めて司馬遼太郎の筆名で書かれた幻のデビュー作である表題作など初期の作品全八篇を集めた短篇集。<br />