「大事な人の死は、たぶん決して忘れることはできません──」ラジオの深夜番組DJをしている快活な妹・和貴子と、卒業後も大学で生物工学の助手として働く勤勉な姉・菜穂子。<br />姉妹は中学時代に両親を事故で亡くし、祖父母に育てられた。<br />北の街を舞台に、対照的な2人の微妙な距離が丁寧にたどられていく。<br />ふたたび大切な人の死を経験したことをきっかけに、ボタンを掛け違ってしまった、それぞれの想い。<br />その行き着く先は──。<br />清冽な感動を呼ぶラスト。<br />