変心した恋人を殺した医学生は、さらに彼を目撃した友人を殺害し新幹線ひかり号の指定席を利用した‘完璧’なアリバイをつくりあげた。<br />聞き込みにきた刑事も、彼の二重、三重の壁にはねかえされるが──。<br />表題作「幻の指定席」ほか「死人が夜ピアノを弾く」「密会のアリバイ」「新幹線ジャック」「不用家族」「小さな密室」「危険な忘れ物」の七篇。<br />女流トリック・メーカーが鮮やかに展開する、さまざまな仕掛けと結末で推理小説のおもしろさが堪能できる秀作短篇集。<br />