太平洋戦争の帰趨をきめたミッドウェー海戦。<br />日米機動部隊の激突を前に索敵の利根四号機が打った一本の無電「敵ラシキモノ十隻見ユ……」。<br />自身、海軍中尉として撃墜され米国の捕虜収容所での経験を持つ筆者が、そこに収容されていた「飛竜」乗組員の話をきっかけに、戦後多くの生存者に会い、日米両軍の資料にもとづいて、海戦の勝敗をわけた戦況をつぶさに描く。<br />通説とされてきた「運命の五分間」をくつがえす新しい鍵を明らかにする、著者会心の長篇記録文学。<br />