不倫の相手と別れ、心の痛手を抱える奈々子に、蛍を見に来ないかと京都の義姉から誘いが届く。<br />そこである秘密を告白され…(「闇に瞬く」)。<br />成功した写真家の夫との間に娘のある絵美子。<br />6歳年下の画家の浩之と、ともに家庭のある者同士が溺れる、刹那の恋(表題作)。<br />そのほか、不条理な恋の闇の中で、一筋の光を見出しながら歩む女性たちと、断ちきれない男女の関係を、「光」の風景を織り交ぜて描く。<br />大人でなければできない恋愛の小品集、全6篇。<br />