昭和18年4月、海軍中尉だった著者はソロモンの海に墜ちて米軍の捕虜となり、禁断の時を生きた。<br />それから30年後、ガダルカナル、ラバウルなど当時の激戦地と捕虜収容所のあったニューカレドニアを再訪してつづった戦友たちへの鎮魂の賦。<br />ソロモンに散華した兵士たちよ! 海上に浮かぶ無数の断雲と、燦然たる南十字星こそ、彼らの墓標にふさわしい……。<br />表題作に加えて、漂流と捕虜収容所での生活を描いた処女作『ニューカレドニア』も収録する。<br />