事故で妻と娘を失い、毎日を惰性で生きる雪籐(ゆきとう)。<br />ある日落とした定期を拾ってくれた若い女性に、雪籐は胸を衝かれた。<br />彼女は涙を流し「あんまりかわいそうなので、つい……」と言ったのだ。<br />その女子大生・天美遙は、物に触れるとそこに籠もった‘思い’を読み取る不思議な能力を持っていた。<br />悩む人の相談にのる彼女の力をもっと広く役立てようと、雪籐は仕事をやめ、会をつくるが…これは新興宗教の誕生なのか? 魂の救済を描く、圧巻の感動巨編。<br />