恋に落ちたら、相手に配偶者がいようがいまいが、恋心が止まらなくなる姉。<br />その一生は奔放すぎた。<br />彼女を‘美しく風変わりな淫売’とよんだ妹が、心をこめて姉の人生を振り返る「最後の男」。<br />家で洋裁の仕事をしながら、ひっそりと愛人の訪れを待つ美枝子の「仄暗い部屋」。<br />失恋して帰ってきた故郷で、あらたな出会いの予感が…表題作「雪ひらく」。<br />前へ前へ、恋にだけはとびきり大胆に突き進む女たち。<br />その奥に秘められた官能の炎を描きつくす傑作短篇集。<br />