動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し。<br />高杉晋作はわずか八十人で兵を挙げ、長州藩のクーデターを際どく成功させる。<br />幕府は慶応二(1866)年、長州藩を圧し潰そうと天下の兵を糾合し、藩の四方から進攻するが、時運はすでに移り変わっていた。<br />維新の曙光をその目に認める高杉。<br />しかし彼は肺を病んでいた――。<br />『世に棲む日日』最終巻。<br />