私は旗師をやめない。<br />狐は負けない――。<br />孤高の美人旗師(店舗を持たない古物商)・冬狐堂こと宇佐見陶子。<br />目利きの命である眼を患った彼女を食い物にしようと、同業者がわけありの品を持ち込む。<br />それは、不思議と何度も返品されてくる和人形だった。<br />魑魅魍魎が住まう骨董業界を故・北森鴻さんが鮮烈に描いた、『緋友禅』に続く古美術ミステリ!