「腕を一本、芋の根元に埋めてくれ」大教団幹部の伯父から託された奇妙な遺言。<br />痴呆の進んだ老人の戯言なのか。<br />葬儀にきた旧友の暗い表情は何を語るのか……。<br />答えは遠い異国の大自然に埋もれていた。<br />衝撃的な事実が神秘の世界を呼び起こす表題作ほか、男運が尽きた女が自殺しようと訪れた地で思わぬ運の反転を招く「ニライカナイ」、夫の幼児虐待の不気味さを描く「コンクリートの巣」など、別世界への扉を開けてしまった孤独な現代人の心の闇に迫る六つの幻想短編集。<br />