われら九人の戦鬼
非情に生きる剣士・多門夜八郎の胸が熱くなった。
愛する梨花の死、彼を慕ってはるばる訪ねてきた美夜の涙。
さらに、すぐれた剣術遣いの九十九谷左近を倒しながら、つのるのは生涯の好敵手をなくした喪失感という現実。
しかし、決戦のときは迫った。
伊吹野をうるおす竜神湖の水を切って落とさねばならぬ。
よこしまな野望で百鬼夜行の戦国乱世を闊歩した不逞のやからが、いまや夜八郎を中心に集まり、九人の戦鬼となって、地を蹴り血闘の戦場へとまっしぐらに突進した。
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