信一郎は乗合自動車で事故にあい、瀕死の青年から腕時計を託される。<br />返すべきひとは、死に際に口走った「瑠璃子」という女性。<br />帰京後探し当てた瑠璃子は真珠のように美しく、孔雀のように微笑み、自分のサロンに集う男たちを弄ぶ妖婦だった。<br />かつて父の名誉を守るため、没落しかけた家を救うため、将来を誓った恋人・直也と別れて、新興成金の荘田勝平の妻となった瑠璃子には、運命に翻弄された過酷な過去があり──。<br />TVドラマ化され、話題を呼んだ大河ロマン小説。<br />