ドンデン返しの帝王が「死刑制度」を問うギリシア神話に登場する、義憤の女神「ネメシス」。<br />死刑判決をまぬがれた懲役囚の家族が相次いで殺され、犯行現場には「ネメシス」の血文字が残されていた。<br />その正体は、被害者遺族の代弁者か、享楽殺人犯か、あるいは日本の司法に対するテロなのか――『テミスの剣』や『贖罪の奏鳴曲』の渡瀬刑事が犯人を追う、社会派ミステリ。<br />