『ぼくと、ぼくらの夏』の樋口有介、初期の傑作青春小説十五年前に家を出たきり、会うこともなかった親父が死んだ。<br />大学三年のぼく、形見を受け取りに行った本郷の古い家で、消息不明の姉の存在を知らされ、季里子という美しい従妹と出会う。<br />一人の女の子を好きになるのに遅すぎる人生なんてあるものか……夏休みの十日間を描いた、甘く切ない青春小説。<br />解説・米澤穂信