私小説への殉情、無頼派の矜持。<br />横浜での生活立て直しに失敗した北町貫多は再び都内に戻っていた。<br />そして二十歳になった彼は、その日も野良犬のように金策に奔走するが……(「無銭横町」)。<br />筆色冴えわたる六篇に、芥川賞選考会を前に藤澤清造の墓前にぬかずく名品「一日」を新併録。<br />解説・伊藤雄和(「オールディックフォギー」)