もう「はい」としか言えない
浮気がばれて、パリへ逃げた。
そこに悪夢が待っていた。
もう笑うしかない……松尾スズキ、衝撃の最新小説!二年間の浮気が、キレイにばれた。
別れたくない。
二度目の結婚で、孤独な生活はこりごりだ。
妻の黒いヒールスリッパの鼻先に、海馬五郎は土下座するしかなかった……。
無条件降伏として、仕事場の解約と、毎日のセックスを、妻から宣言された。
性に淡白な海馬五郎は、追い詰められて、死すら望むものの、死ねるはずもなく、がんじがらめの日々を過ごしている。
半年ほど息苦しい生活を味わった頃、海馬五郎は、フランスのエドルアール・クレスト賞の受賞を知らされる。
「世界を代表する5人の自由人のための賞……?」胡散臭いものだが、パリへの旅費と一週間の滞在費を支給してくれるらしい。
飛行機が嫌いで、外国人が怖い海馬五郎も、一週間は妻とのセックスを休めるというので、その誘いにのった。
これが悪夢の旅になったのである。
表題作『もう「はい」としか言えない』の他、海馬五郎の恥ずかしい少年時代をヴィヴィッドに描いた『神様ノイローゼ』をカップリング。
天才・松尾スズキのシュールでエンタテイメント精神にあふれる、まったく新しい小説世界へようこそ!
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