赤い風
江戸前期、武士と農民が身分をこえて空前の大開拓に挑む!川越藩主・柳沢吉保とその懐刀・荻生徂徠。
徳川綱吉の治世下、川越藩の領内では、牛馬のための飼料や堆肥のための草を採取する秣場(まぐさば)での、農民同士の諍いが何十年も絶えなかった。
集団で襲われ、百姓が命を落とす悲劇までおきていた。
そんな中、新たに藩主についた柳沢保明(のちの吉保)は、諍いの場となっている荒涼たる原野を二年で畑地にせよ、という前代未聞の命を下した。
曾根権太夫ら側近の家老らを現地に派遣し農民を指揮させたが、やがて武士と農民の間には軋轢が生じ、二年での完成が危ぶまれていく。
そんな中、保明は懐刀の荻生徂徠を現場に送り込み、事態の打開を試みるが……。
著者畢生の傑作時代長篇!
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