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影ぞ恋しき

『いのちなりけり』『花ぞ散るらん』に続く雨宮蔵人三部作の完結篇!夫婦、親子、友との清冽なる絆を描いた葉室麟最後の長篇小説京の郊外で妻子とともにひっそりと暮らす雨宮蔵人のもとに、吉良左兵衛の家人・冬木清四郎が訪れた。
重病を患う左兵衛は死ぬ前に吉良家の血を引いている香也(蔵人が育てている娘)にひと目会いたいという。
左兵衛は、赤穂事件(忠臣蔵)で討たれた吉良上野介の養子で、幕府の咎めを受け信濃諏訪藩の小さな屋敷に軟禁されていた。
清四郎の主人を思う心にうたれた蔵人は一家揃って諏訪へ向かったが、やがて幕府の暗闘に巻き込まれる。
吉良上野介、大石内蔵助など、すでにこの世を去った人への思いが、蔵人たちの運命を動かしていく。
タイトルは、「古今和歌集」にある紀貫之の和歌〈色も香も 昔の濃さににほへども 植ゑけむ人の 影ぞ恋しき〉より。
懐かしい故人を慕う心情が作品全体を貫いた感動の絶筆!




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