関ヶ原以来、十五年を隠忍自重した家康が、七十三歳にして宿願の豊臣家打倒に立ち上がる。<br />堅固な大阪城に長期戦は不利とみた家康は、総濠埋立てを条件に一旦和睦する。<br />その後、再び秀頼を挑発、再戦の端緒を掴むのだった――。<br />戦国乱世を負けながらも生き抜いた、稀有な男の不屈の精神を余すところなく描いた大長編。<br />