神さまを待っている
誰にも「助けて」と言えない。
圧倒的リアリティで描かれる貧困女子の現実。
文房具メーカーで派遣社員として働く二十六歳の水越愛。
派遣期間の終了とともに正社員になるはずだったが、会社の業績悪化で職自体を失う。
失業保険を受けながら求職活動をするがうまくいかない。
家賃よりも食費を選び、ついにホームレスになってしまう。
漫画喫茶に寝泊まりしながら日雇いの仕事でお金を稼ぎ、また前の生活に戻ることを目指して日々をやり過ごす愛だったが、同じ境遇の女性に誘われ「出会い喫茶」に行くことで、自意識が揺らぎはじめる。
生きるために「ワリキリ=売春」をやるべきなのか。
ここまで追いこまれたのは、自己責任なのだろうか。
普通に大学を卒業し、真面目に勤めていた女性が、またたくまに貧困に呑み込まれていき、抜け出せなくなる。
貧困女子に必要なのは、お金だけなのか?自らの体験をもとにした、著者渾身の長篇小説。
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