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美しき愚かものたちのタブロー

国立西洋美術館、開館60周年!記念すべき年に贈る、原田マハにしか書けない日本と西洋アートの巡りあいの物語。
日本に初めて「美術館」という概念をもたらした破天荒な実業家、松方幸次郎。
戦火のフランスで絵画コレクションを守り抜いた孤独な飛行機乗り、日置コウ三郎。
そして、敗戦国・日本にアートとプライドを取り戻した男たち――。
奇跡が積み重なった、国立西洋美術館の誕生秘話。
日本人のほとんどが本物の西洋絵画を見たことのない時代に、ロンドンとパリで絵画を買い集めた松方は、そもそもは「審美眼」を持ち合わせない男だった。
絵画収集の道先案内人となった田代との出会い、モネとの親交、何よりゴッホやマティスといった近代美術の傑作の数々により、美に目覚めていく松方。
だが、戦争へと突き進む国内では経済が悪化、破産の憂き目に晒される。
帰国した松方に代わって、戦火が迫るフランスに単身残り、絵画の疎開を果たしたのは謎多き元軍人の日置だったが、日本の敗戦とともにコレクションは数奇な運命を辿りる。
美しい理想と不屈の信念で、無謀とも思える絵画の帰還を実現させた「愚かものたち」の冒険が胸に迫る感動作。




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