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紅雲町珈琲屋こよみ

北関東の小さな町で、珈琲豆と和食器の店「小蔵屋」を営む、お草さん。
彼女の日常にふと顔をのぞかせる闇が読者をグイグイ引き込む大人気シリーズ第6弾。
秋のある日、草に旧友の初之輔から小包が届く。
中身は彼の書いた短い小説に、絵を添えたものだった。
これをきっかけに、初之輔と再会した草は、彼の苦しかった人生を元気づけるために、彼の短編を活版印刷による小本に仕立て贈ることにした。
この小本の印刷を依頼した小さな印刷会社の個人データ流出事件に草は巻き込まれる。
草の働きによって、印刷会社周辺の人々の記憶までもが明るく塗りかえられてゆく。
「一つほぐれると、また一つほぐれてゆくものよ」逃した機会、すれ違い、あきらめた思い――長い人生、うまくいくほうがまれだったけど、丁寧に暮らすのが大切。
お草さんの想いと行動が心に染みる珠玉の一冊。
※この電子書籍は2018年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。




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