見えないからこそ見えてくるものがある。<br />夢とリアルが絶え間なく交錯する老女は、自らの空想に怯えていたことを笑い飛ばして生きる。<br />老女の‘意識の流れ’を描く、第161回芥川賞候補作「ラッコの家」と、目の見えない兄の手助けをするため一緒に暮らす弟を描いた「窓」の二篇を収録。<br />