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スナック墓場

〈生きる姿勢が美しい人〉は、ときに可笑しくて、でもじんわりと沁みる。
‘どっかりしていて、愛嬌がある小説’(森絵都「第96回 オール讀物新人賞選評より)つぶれたスナックの女性店員たちが開いた競馬場で同窓会、職人気質のクリーニング店主と下着を持ち込んできた若い女性客、幸田文の『流れる』に憧れる家政婦の姉と子どもの頃の事故で指をなくしたラブホテルの受付の妹……。
乾いていて衒いがないのに、そこはかとなく〈艶〉のある、クセになる文章のリズム。
読んでいて、おもわずほほえんでしまう巧まざる〈ユーモア〉、人間観察からあふれでる、生きることへの〈姿勢の良さ〉。
身近にありそうな、でもちょっとだけいつもと違う世界を、〈女性たちの持つ違和感〉を織り交ぜつつ、町の商店街の生活、女性同士の友情と葛藤、男性への鋭い視線などを通して描く実力派新人が登場。
ささやかだけど美しくて、すこしおかしな日常、全7篇の短篇集。
〈収録作〉「ラインのふたり」(アンソロジー『女ともだち』(文春文庫)収録)「カシさん」(第一回林芙美子文学賞最終候補作)「姉といもうと」常(第96回オール讀物新人賞受賞作)「駐車場の猫」「米屋の母娘」「一等賞」(『短篇ベストコレクション 現代の小説2019』(徳間文庫)収録)「スナック墓場」




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