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僕のなかの壊れていない部分

「どうして自分はあのことを忘れることができないんだろう?」剥きだしの叫ぶが響く、著者の初期傑作。
美しい恋人・枝里子をサプライズで京都に誘った。
それは、昔の男が住む京都で枝里子の反応を見ようという悪意だった――。
東大卒出版社勤務、驚異的な記憶力を持つ「僕」は、同時に3人の女性と関係を持ちながら、誰とも深いつながりを結ぼうとしない。
その「理屈っぽく嫌味な」言動の奥にあるのは、絶望なのか渇望なのか。
彼の特異な過去を知った枝里子は。
「自分の人生にとって本質的なことからは決して逃れられない」切実な言葉たちが読む者の胸を貫いてロングセラーとなった傑作が文春文庫に登場。
解説・窪美澄




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