江戸の夢びらき
なぜ江戸の民衆は團十郎に熱狂したのか。
不世出の天才・初代市川團十郎、空前の一代記!寛文7年(1667)、浪人の娘・恵以はひとりの少年と出会う。
子どもながらに柄の悪い侠客たちに囲まれ、芝居に出れば大暴れして舞台を滅茶苦茶にする。
その破天荒さに呆れながらも、恵以は自然と人の注目を集める彼の素質に気づく。
少年の名は海老蔵。
長じて市川團十郎を名乗り、〈荒事〉の追求の果てに江戸の民衆から信仰にも近い人気を集めた。
劇作家としても今なお愛される名演目や斬新な演出を次々と生み出した不世出の天才。
彼が命をかけた〈荒事〉とは何だったのか、なぜ舞台上で命を落とすこととなったのか。
謎多き初代市川團十郎の波乱万丈の生涯を、元禄の狂乱と江戸歌舞伎の胎動とともに描く。
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