日本蒙昧前史
語りの魔術で蘇らせる、戦後日本の生々しい手触り。
戦後を彩った様々な事件とその陰にある無数の生を描き出す長篇。
大阪万博、三島由紀夫の自決、五つ子ちゃん誕生、ロッキード事件、グリコ・森永事件、密林に28年身を潜めていた元日本兵──。
もはや忘れ去られてしまった無数の「虚構ではない人生」を通じて、あの「蒙昧」の時代の生々しい空気が浮かびあがる。
変幻自在の語りを駆使した芥川賞作家、会心の作。
‘我々は滅びゆく国に生きている、そしていつでも我々は、その渦中にあるときには何が起こっているかを知らず、過ぎ去った後になって初めてその出来事の意味を知る──‘
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