コロナ禍のさなか、家でひきこもっていた女性が棚のなかから見つけた古い名簿と本。<br />「今からすればーー」記憶の扉が開き、昭和50年代に共学の公立高校で過ごした思い出が、まるで映画を見ているかのようによみがえる。<br />『ラブアタック!』、ミッシェル・ポルナレフ、旺文社のラジオ講座、そして夜の公衆電話からかけた電話……胸キュンな恋も、打ち込んだ部活も、そのうえスマホもなかった。<br />でも確かにあれは――大人のための、フツウな青春小説。<br />