芝公園六角堂跡 狂える藤澤清造の残影
ここ数年、惑いに流されている北町貫多。
あるミュージシャンに招かれたライブに昂揚し、上気したまま会場を出た彼に、東京タワーの灯が凶暴な輝きを放つ。
その場所は、師・藤澤清造の終焉地でもあった――。
何の為に私小説を書くのか。
静かなる鬼気を孕む、至誠あふれる作品集。
「芝公園六角堂跡」とその続篇である「終われなかった夜の彼方で」「深更の巡礼」「十二月に泣く」の四篇を収録し、巻末に、新たに「別格の記――『芝公園六角堂跡』文庫化に際して」(18枚)を付す。
※この電子書籍は2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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