「五年間はなにもすまい」。<br />大企業を辞めた洪治は無為な日々を過ごしているがある日付き合っていた彼女から昔の不幸な出来事を聞かされる。<br />絶望に追われた二人の間には睡眠薬の山があった――(表題作)。<br />なぜ人間は生まれ、どこに行くのか。<br />一度倒れた人間が一歩を踏みだす瞬間に触れる美しい短編「草にすわる」「花束」「砂の城」「大切な人へ」「七月の真っ青な空に」を収録。<br />解説・瀧井朝世