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死者にこそふさわしいその場所

怖いものほど見たくなる、駄目なものほど癖になる。
日常の輪郭がゆがんでとろける、奇「快」な物語たち! 折口山町に暮らすのは、どうしようもない人達ばかり。
・セックスの回数を記録する愛人・徘徊癖のある妻を介護する老人・アパートのドアが開きっぱなしの裸男・朝どうしても起きられなくなってしまった女・困った人の面倒を見たがる聖職者町はずれの植物園に、彼らは、吸い寄せられるようにやってくる。
芥川賞作家が織りなす、平凡なようで非凡な六篇の物語。
●担当編集者より住みたいかと聞かれたら答えに窮する、しかし覗き見したいかと言われたら確実に「YES」なのが、折口山町だと思います。
登場人物たちの特徴を挙げてみるだけで、もうこの町の不思議な空気が漂ってきた気がします。
ちなみに、なんとも魅力的なタイトルは、ポール・ヴァレリーの『テスト氏』の一節から。




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